今回は、冬(ウインター・シーズン)です。秋の荒食いが終了して、水温が
段々下がってくると、バスも越冬を意識した行動をとります。ウィードや漁港
にあれほどいた豆バスたちも、嘘のように姿を消します。一体、彼らはどこに
行ってしまうのでしょうね。
湖西から見た冬の葛籠尾崎と竹生島
よく言われるのが、
水温が安定している深場のサンクチュアリや環境が安定
している漁港で越冬しているということです。
さすがに真冬にフローターは辛すぎますので、この時期の釣りはオカッパリが中心に
なりますが、岸から深場のサンクチュアリを狙うことは困難です。すると、環境が安定
している漁港ということになりますが、30アップまでで、なかなか40アップは望め
ません
では、浅場にはバスはいないのでしょうか?
実はそんなことはないのです。私が冬場に通うポイントは水深1mくらいで、岸は雪で
覆われますが、30cm後半や天気によっては40アップも出ます。バスの越冬場には決
まったパターンはないのかも知れません。いろいろなポイントを調べる必要がありますね。
(2010年1月、41㎝、とあるポンド) (2011年1月、36㎝、とあるポンド)
また、バスは毎年同じポイントを越冬場にする訳ではないので、前年度に越冬場では
なかったポイントも調べる方が良いでしょう。もし、そんなポイントを見つけ出すこと
ができれば、真冬であっても爆釣ってことがあります。
越冬しているバスは秋の
ように広く散らばっている状態ではなく集まっていますので、パターンにはまる
と思わぬ釣果に恵まれるのです(小バス中心ですが1時間に40尾というのを経験して
います)。
バスの越冬場を見つけたとして、次に大切になるのが、水温低下で活性が下がっている
バスを攻略するのに適したルアーを見つけ出すことです。
一番適しているのが、
小型でエビを模したワームです。アクションはごく少ない目に
します。
越冬バスはなるべく体力を使わないようにしています。活発に移動して捕食していない
ので、最小限の動きで捕らえることができるエサを好むのは想像に難くないでしょう。
甲殻類なら動きも遅いし、バスにとって好都合じゃないかと思います。
ハード・ルアーなら、冬場に食性に訴える釣り方をするのは難しいので、
リアクション・
バイトを誘発するものがいいですね。いろいろ試して探してください
さて、冬場でするべき大切なことはもう一つあります。冬場には水位の低下もあるし、
季節風が激しくないポイントでは水質もクリアになります。たとえ釣れなくても、
ポイント
の状況を見極めるのに冬場ほど適した季節はありません。
私のスポーニングのマル秘コンタクト・ポイントを冬場に観察すると、やたらと根掛
かりが多かったところには大きな石が沈んでいました。確かに根掛かりは多かったので
すが、40アップ、50アップが高確率にヒットしたのは、この底の状況があったから
でしょうね。また、同じようにデカバスがヒットするマンメイドストラクチャーがあり
ましたが、ここにはなんと、大きな陶器の壺が埋めてありました
冬場にポイントを観察することで、スポーニングやその他のシーズンの釣りに有用な
情報を沢山得ることができます。一度試して見てください。勉強になることも多いですよ。
☆琵琶湖の深呼吸☆
“琵琶湖の深呼吸”ってご存じでしょうか?
滋賀県の北部はスキー場ができるほど雪が積もります。多い所では3m以上も積もる
そうです。私の在所でも多いときは150㎝に達したことがあります。
春の気配が漂い始める2月下旬から3月上旬には、琵琶湖の北湖には大量の雪解け水が
流入します。雪解け水は低温水ですので、琵琶湖の湖底に流れ込みます。この流れ込みに
よって、湖底に溜まっていた低酸素水がかき混ぜられ、水面近くに浮上してきます。ちょ
うど、フォールス・ターンオーバーと似たような状態になるのです。
これを
“琵琶湖の深呼吸”といい、湖底まで酸素を届ける仕組みになっています。湖底
に生息する生物にとっては深呼吸が起こるかどうかは生死を分ける大切な現象です。ただ、
バスのように水深20mより浅い場所に住んでいる生物にとっては、低酸素水にさらされる
ので大変と言えば大変ですね。ただ、バスフィッシングではオフ・シーズンにあたります
ので、あまり影響を感じたことはありません。
さて、今回でシーズナル・パターンの説明は終了です。これが絶対正しいとは思いませんが
自分で経験して、覚えておいて損はないような内容に絞りました。
今後の釣りに活かすも良し、無視するも良し。皆さん次第です。